詩を読んで好き勝手いう会 2014年の記録

《第9回》

『寺山修司少女詩集』寺山修司

 

日時:2014年12月27日(土)

15:00~16:30

場所:川口

 

今回も、大騒ぎの読書会となりました。

「これはすごい! グッとくる!」という詩と、「これはちょっと気持ち悪い」という詩がそれぞれにありました。それぞれ好きな詩は違うものです。そして若干、その人のいまの精神状態を反映しているような……。

ま、恋人の名前を書き続ける詩や「しあわせ」と100も書かれた「しあわせ」の絨毯爆撃のような詩は、これはちょっと……、の最右翼でしたが。

海や猫という言葉の扱いが、とても面白い。

寺山にとって猫とは、海とは、何だったのでしょう?

みなさんも、猫と恋を入れ替えてみまえんか?

《第8回》

『イリュミナシオン』アルチュール・ランボー

 

日時:2014年11月16日(日)

19:00~21:00

場所:大宮

 

今回、初参加メンバーがいるというのに、ランボーでよかったんだろうか。ほぼ全員、違う訳本だったので、詩を共有するのに、ひと騒動。でも、訳による詩の雰囲気の違いも感じられて、面白かった。

私自身は、「王権」を愛してやまないのですが、「ある理性に」や「出発」などのたたみかけていく感じが好きという声も。

あとは、町や風景に対する執着や、性やエロスのこと、酒のこと、イリュミナシオンではない作品からも感想がありました。

やはり、この作家は難解ですが、積み上げたイメージを最後でねじり返し、妙でおさまりの悪い位相に導いていく、この世界の構築はランボーの魅力といえるでしょう。

《第7回》

『17歳のポケット』山田かまち(集英社文庫)

 

日時:2014年6月10日(火)

19:30~21:30

場所:大宮

 

この人は、やっぱり天才だと思う。

今生きていたら、どんな詩を作って、どんな風に芸術に影響を及ぼしているんだろうと思うと、事故死がもったいなすぎる。

心の痛い部分をさらけ出し、まっすぐに表現してくるかまち。このことばには、参加した人はずいぶん鋭くことばが刺さったようです。

私は、名指しで好きな人に、50もの素っ頓狂な質問を浴びせかけるアンケート式インタビューとか好きです。「イチゴとリンゴは赤く、トマトとトマトジュースは赤い。リンゴとトマトジュースはどうしたらイチゴになるか?」なんて、最高!!

メンバーはこんな詩がいいといいました。

「音楽そのものをつくれ。/アーチストが誰でとか、/そんなことは音楽とは関係がないんだ。/イメージと一応の実体を作ること。/現在すべてはイメージで決まっちゃうんだ」

すごいですよ。当たり前と言ったら、そこまでです。しかし私は彼の年齢の時に、こんなこと考えていなかった。よしんば考えていたとしても、ことばに出来なかった。山田かまちは、享年17歳ですよ。

「音楽は語るもんじゃない。音楽することだ。(略)絵は語るものじゃない。絵するものだ」

彼こそが、芸術をつかんだものだった。そして芸術の姿とは、こういうものだと私は心に深く信じている。

《第6回》

『草木塔』種田山頭火(春陽堂)

 

日時:2014年5月13日(火)

19:00~20:30

場所:大宮近辺

 

放哉とならぶもう一人の巨人、山頭火。

長生きしたおかげか、もともとの性格か、ふんわりと暖かくてやわらかい。

でもこれは、ある種日常生活の苦悩を突き抜けた、穏やかさかもしれません。

放哉のがさがさした感じのほうが好き、という声も。